
← 前回の記事で、私がTemuファームランドという名の悪魔の農園に囚われた経緯をお話ししました。水やり、水やり、ひたすら水やり。友達を「水源」として認識するまでに至った私の末路。
そして、ある日、それは突然現れました。画面に表示された、キラキラと輝く数字。
99.99%
無料商品まで
あと1円
「やった!あと少しだ!」ゴールは目の前!…そう思った私が馬鹿でした。
無限に広がる1円の宇宙
その数字が表示されてから、世界の理が変わりました。
以前は、そこそこの量の水で結構進んだ作物の成長ゲージが、ピクリとも動かない。必要な水量が、まるでインフレでも起きたかのように跳ね上がったのです。
1回の水やりで増える進捗は、わずか0.01%。もはや目視では確認できないレベル。
「あと1円」という表示が出ているのに、必要な水量はバケツどころかダム一つ分くらいあるんじゃないか?という絶望感。
この「1円」は、私がこれまで稼いできたどこの国の通貨とも違う。Temuファームランド独自レートの「とてつもなく価値の高い1円」なのです。
水滴を求める亡者と化した私
「あと1円」や「99.99%」という数字に囚われた私は、もはや理性では動いていません。

かつては見向きもしなかった、時間経過で回復するたった数グラムの水。面倒くさがっていたアプリ内タスク。すべてを貪るようにこなします。
そして、再びスマホを手に取り、友人リストを眺める。今度はどんな言い訳で水を無心しようか。水を得るためには、もはや人間としての尊厳など二の次。私は「水滴を求める亡者」と化していました。
友人からの「最近Temu頑張ってっかww」という絵文字付きのメッセージに、乾いた笑いを返すことしかできません。
この1円は、何円の価値があるのか
無料商品。その言葉が遠い響きに聞こえ始めます。
私がこの「99.99%」の壁を超えるために費やしている時間、労力、そして失った(かもしれない)友人からの信用。これらを金額に換算したら、無料商品の定価をとうに超えているでしょう。
Temuファームランドは、私たちに問いかけているのです。
「お前は、たった1円(の価値)のために、どこまで自分を捨てられる?」と。
そして、私はその問いに、黙々と水やりを続けることで答えてしまうのです。このゲームの恐ろしさは、そこにあるのかもしれません。
99.99%、永遠の煉獄
もしかしたら、この99.99%という数字は、単なる達成度ではないのかもしれません。
それは、Temuファームランドというシステムに囚われた私たちの「依存度」を示しているのではないでしょうか。
99.99%。ほぼ完全に依存している状態。
あと少しで抜け出せる、という希望を与えながら、決して抜け出させない。恐るべし、Temuファームランド。
今日も私は、この永遠にも思える99.99%の壁に、わずかな水を投げつけます。いつかこの煉獄から解放される日を夢見て…。
チャポ…チャポ…。
| 2025.05.02 13:10 | |
| 2025.06.30 08:30 | |
| Temu(ファームランド) |